外壁塗装の基礎知識……外壁塗装工事の流れと必要な日数モデル
外壁塗装や屋根塗装のリフォームは、いろんな工程をへて完成になります。このWebサイトでは「外壁塗装の基礎知識……外壁塗装工事の流れと必要な日数モデル」をテーマにお話します。工事着工前から引き渡しまでの流れ説明してポイントを解説してまいります。
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はじめに
外壁塗装や屋根塗装のリフォームは、いろんな工程をへて完成になりますので、依頼をする前に知っておきたいことがあります。このWebサイトでは「外壁塗装の基礎知識……外壁塗装工事の流れと必要な日数モデル」をテーマにお話しますので参考にしてみてください。工事着工前から引き渡しまでを区分しています。
工事着工前(1週間前)
ご近所へのご挨拶
足場を組み立てたり・高圧洗浄機を使ったり工事の音がでますし、塗料の飛散や塗料の匂いがあってご近所に少なからず迷惑をかけます。ご挨拶に回るのはもはや常識です。できたら工事業者に任せるのではなくて、ご自身も同行するようにしておきましょう。
1日目
足場仮説工事とシートの設置
効率良く・安全に作業するために足場設置は必須。金属で出来ているので金属音がご近所に響きます。足場なし工法を提案する業者もあります。仮設足場の料金が20万円ほどかかるからです。しかし、作業効率や安全性を考えると支払うべき費用でしょう。
足場を設置したら、周囲にメッシュシート(飛散防止シート)を貼ります。塗料が周囲に飛ばないようにします。細菌はスプレーガンを使って吹き付ける工法よりも刷毛とローラーで塗るだけです。それでもかなりの量が飛散します。泥棒に狙われやすいのもこの時期。貴重品を置いて外出しないように注意してください。
2日目
高圧洗浄
高圧力の水で一気に汚れを落とす下地洗浄作業で、とっても高価な業務用の高圧洗浄機を使います。中にはこれを省略する業者もいますが、今の業界では必須の工程です。高圧の水に弱い材質でないならば実施するべき作業です。
高圧洗浄をしているときは、窓を閉めるだけでなく鍵もしっかりとかけておきましょう。水圧で窓が空いてしまうこともあります。水が入ってしまう可能性があるので注意してください。この段階では、まだ塗料の匂いはしません。窓を閉め切っても問題はないでしょう。
もっとも注意しなければならないことは適切な水圧で高圧洗浄しているかどうかです。一般に必要とされている圧力は 14.7MPaです。圧力計は高圧洗浄機に内蔵されています。メモリをチェックしてから作業をしましょう。
3日目&4日目
乾燥
3日目から4日目は乾燥の期間になりますから、外壁塗装業者はときに作業をすることもありません。天気に任させて乾かすだけです。塗装に関係がない片付けや植物や置物の移動をする時間にすればいいでしょう。曜日で考えると高圧洗浄を金曜日に実施して、土曜日と日曜日で乾燥させるといいですね。
高圧洗浄をしたあとは、可能な限り48時間乾燥させます。外壁の表面を十分に乾燥させます。そして、塗料がしっかり密着するように準備しましょう。乾燥が不十分ですと、この上から塗料を塗ったときに壁の内部に残っていた水分が太陽光で膨脹します。壁に泡のような膨れがでてしまいます。乾燥は外壁塗装で必ず必要な工程です。
最低でも24時間は乾燥させないといけません。高圧洗浄をした翌日に塗装をする業者は24時間の乾燥時間をおいていません。悪質業者/悪徳業者の可能性もありますから、工事内容を話し合いましょう。
5日目
下地調整
今の壁や屋根に新しい塗料がくっつくように色んな処理をするのが下地処理・下地調整です。主な作業は次のようなものです。
- ヒビ割れ部分を埋めて塗料を塗りやすくする補修
- 内部にある金属部が膨脹していて壁が落ちた部分にモルタルなどを詰める補修
- 目地のシーリング打ち替えや打ち増し補修(コーキング工事)
- 崩れているところのパテ埋め
共通しているのは塗料を壁に付きやすくして、安定させるために壁を平坦にすることになります。この下地調整を疎かにする業者は手抜き業者すね。見積もり段階で内容をチェックしておきましょう。
養生(ようじょう)
塗料がつくと困る場所にシートやテープを貼って汚れないようにする作業のことです。
塗装工事は細心の注意をしても塗料や洗浄した水が飛びちりますので、いろいろなところが着色してしまいます。それを防止するために養生しなければなりません。
利用する道具は「マスキングテープ」「ビニールシート」「養生シート」「マスカー」などです。ドア・手すり・植物・置物などに塗料がついけていけないところを徹底的に養生しましょう。ご近所の自動車やバイク・自転車にも専用の養生カバーをつけることもあります。
6日目
養生が終わればいよいよ外壁塗装に入ります。(1)下塗り(2)中塗り(3)上塗りに分かれますが、塗料による保護を強めるために全部で3回以上塗らなければなりません。
下塗り
下塗りは色をつけることを目的にしていません。保護と色つけが目的である上塗り用の塗料がきちんと壁に密着するための薬剤を塗ると考えればいいでしょう。塗装というよりもある意味、下地調整の延長線上にあります。塗る塗料は「シーラー」と呼ばれる下塗り専用塗料で、ボロボロになった壁の中に染みこんで固まります。この後の塗料を塗りやすくしてくれます。
下地の状態によって(1)シーラー(2)プライマー(3)フィラー(4)バインダーなどの下塗り剤から使い分けるのが一般的です。それほど劣化していない外壁の下塗りならば「シーラー」です。細かいクラックが多い外壁は「微弾性フィラー」を使います。劣化が激しい下地にシーラーを塗っても上手く定着しません。適切な下塗り剤を選ばないと上塗り用の塗料がしっかり定着しなくて、剥がれなどのトラブルになります。状態によってはシーラーと微弾性フィラーを複数回下塗り塗料を塗るケースもあります。
7日目
外壁中塗り
中塗りと上塗りの塗料は同じ物を使うことが多いですが、塗料の種類によっては、専用の中塗り塗料を塗った上から上塗り塗料を塗る場合もあります。中塗りと上塗りの塗料が同じことが多いのですが、このときに手抜きされる可能性が高いです。中塗りをしていなくて上塗りだけしている場合。後から中塗りをしたかどうかを判断できにくいからです。
剥がれや塗装不良などの不具合が発生してくるのは数年後になります。こういったことがないように中塗りだけでしっかり1日使っているスケジュールかどうかをチェックしましょう。中塗りと上塗りの日を分けることが手抜き工事を防止する方法です。
8日目
外壁上塗り
一番メインの塗料を塗る作業になりますので、見た目がカッコイイ模様がついたサイディングやモルタル仕上げの場合は、上塗りにクリア塗料を塗るだけの場合もあります。中塗りと上塗りの塗料は微妙に色を変えて、どこを今、塗っているのかをわかるようする業者もあります。大手塗料メーカーの塗料は、中塗り塗料と外塗り塗料の色を微妙に変えています。これによって塗り忘れの防止ができるように工夫されているのです。塗り忘れも後から気がつきにくいですし、不具合は数年後になります。色が違うものを指定するといいでしょう。
- 付帯部塗装
- 外壁や屋根以外の部分を付帯部といいます。具体的には破風板、鼻隠し、軒天、雨樋、雨戸、ベランダ、鉄部、木部です。どのタイミングで塗るかはケースバイケースですが、一度混ぜてしまった塗料は固まります。切りの良いところで徒渉します。
- 屋根塗装
- 外壁の塗装が終わったら、屋根も同じように下塗り・中塗り・上塗りがあります。屋根は外壁以上に、直射日光や雨や風を受けます。不具合も出やすい部分です。高圧洗浄や屋根下地の調整もします。
9日目
屋根下塗り
屋根の下塗り塗料は外壁と同じで下地にあった下塗り塗料を塗ります。「シーラー」や「フィラー」から今の屋根の状態や材質にあった最適な下塗り塗料を選ぶ必要があります。
10日目
縁切り・タスペーサーの設置
下塗りをした翌日には塗料が乾燥した後に「縁切り」作業が必要です。これはコロニアル屋根など一部の屋根材料のみになります。
コロニアル屋根は人気の屋根材です。塗装したあとに、塗料が乾燥すると屋根と屋根が塗料によってくっついてしまう特性があります。縁切りをしないで放置してしまうと、雨水を家の中まで侵入させてしまいます。雨漏りの原因になってしまいます。狭い隙間であればあるほど奥まで水が入り込む毛細血管現象が起こります。だから、屋根と屋根の間の隙間を開ける「縁切り」が必要です。
下塗りをして、きちんと「縁切り」をしても、次に中塗り・上塗りをすると屋根はくっつきます。また、縁切りをしなければならなくなり手間がかかります。だから、縁切りをした直後に「タスペーター」と呼ばれる小さな部品を屋根と屋根の間にはめ込みます。これをすれば物理的に屋根と屋根がひっつきません。
11日目
屋根の上塗り
中塗りが終わったあと塗料を、もう一度塗りますので、塗膜を分厚くできます。長期間に渡って屋根を守ることができます。こちらも外壁塗装と同じで塗料の色を少し変えることで塗りむらや塗り忘れを防止します。
12日目
養生撤去作業
マスキングテープやビニールシートを丁寧に剥がしてゆきます。処理したゴミは外壁塗装業者が持ち帰ってくれます。安物のマスキングテープや期限切れで質の悪いマスキングテープを使っている場合は、剥がしたあとベトベトします。もしも、そんなベトベトがあるならば、しっかりと処理をしておいてもらいましょう。
業者による確認作業・依頼者による確認作業
業者が家屋の周囲をきちんと確認して塗り残しがないか、余計な箇所に塗料が付いていないかを確認します。塗り残しは当然ですが塗り直します。塗料の付着が見つかったらシンナーなどを利用して丁寧に取りのぞきます。その後、依頼者の施主と業者が一緒に最終の確認をします。のちのちトラブルにならないように隅々まで点検しましょう。足場が設置されている間に不具合を見つけておかないと後で見つかって手直しすると足場代金がかかります。
13日目
足場解体・足場撤去
飛散防止セットと仮設足場を解体しますが、ここでもう一度気になる部分がないかを再確認します。昼の見え方・夕方の見え方・夜の見え方など一昼夜を確認しましょう。太陽の位置や光の当たり具合で外壁は異なった見え方をします。
掃除作業
使用した塗料の缶・養生道具など工事に使用したものを片付けをします。塗料缶を幾つつかっているかを確認しましょう。必要以上に水やシンナーを使っていると缶の数が少なくなっています。それとなくチェックしておくといいでしょう。
14日目
引き渡し作業
外壁塗装や屋根塗装の工事の内容に問題がなく、施主と業者ともに納得すれば引き渡しになります。
工事完了後の挨拶
工事が完了したら、ご近所の方々に工事終了の挨拶と迷惑をかけたことによる謝意を伝えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
外壁塗装の基礎知識……外壁塗装工事の流れと必要な日数モデルを解説しました。この例では14日としています。しかし、実際には雨や雪の影響で工事が遅れることもあります。梅雨時期になると湿度が高くなります。乾きが悪い場合は、さらに乾燥の日数が必要となります。